地域と舞台芸術をつなぐ「北海道シアターカウンシルプロジェクト」が始まります

札幌演劇シーズン実行委員会による新しい取り組み「北海道シアターカウンシルプロジェクト」がスタートします。

ポストコロナの舞台芸術支援のあり方を考えることを目的とするこのプロジェクト。一体どのような取り組みが行われるのでしょうか。

この記事では、北海道シアターカウンシルプロジェクトについての解説と、プロジェクトによる2つの企画をご紹介します。

北海道シアターカウンシルプロジェクトとは

北海道シアターカウンシルプロジェクトについては、札幌演劇シーズン実行委員会らが主催する「JAPAN LIVE YELL project in HOKKAIDO 2022(以下、JLYP)」のホームページにて紹介されています。

JLYPとは、全国規模で行われている、コロナ禍における文化芸術活動を支援するプロジェクトの北海道版です。これまでも旧北海道四季劇場を会場とした公演を企画するなど、札幌の文化芸術を盛り上げる取り組みを行なってきました。

どんなことをするの?

JLYPは、2022年の新たな取り組みとして、北海道シアターカウンシルプロジェクトを立ち上げました。これは、地域における文化芸術の支援体制のあり方を検討したり、次世代の文化芸術を担う人材を育成したりするプロジェクトです。

  1. 地域と文化芸術をつなぐ支援体制のあり方等について検証・検討する機会を設ける
  2. 次代の文化芸術活動を担う人材の育成

公式サイトには、以下のようにも説明されています。

北海道シアターカウンシルプロジェクトは、地域と舞台芸術をつなぐ新しい文化芸術支援のあり方について検討・検証をしていく場です。現在、全国各地で立ち上がっているアールカウンシルの取り組みなどを参考にしながら、しかしその方法論だけにとらわれることなく、舞台芸術を起点に文化全域を俯瞰しながら北海道に必要とされる支援のあり方を地域とともに広く柔軟な発想で考え、試行するプロジェクトです。

JAPAN LIVE YELL project in HOKKAIDO 2022 公式サイトより

おすすめしたい2つの企画

北海道シアターカウンシルプロジェクトでは、現在2つの企画が発表されています。

文化政策や公的支援をテーマに「私たちにとっての文化芸術」を考えるキックオフ・シンポジウムと、文化芸術の視点を持って地域の課題解決に取り組む人材育成プログラムです。

キックオフ・シンポジウム

コロナ禍で噴出した「好きなことをやっている人に公的支援は必要なのか」という疑念は、「私たちにとって芸術文化とは何なのか」という根本的な問いに対する答えを求めているように思います。北海道シアターカウンシルプロジェクトは、たとえすぐに答えが見つからなくても、この問いかけに真摯に向き合うところから、活動の一歩を踏み出してみたいと考えます。この一歩は、芸術文化が一部の人の特別なものであるという誤解を払拭し、私たち一人ひとりが、芸術文化を自分ごととして考えるきっかけになるはずです。そのことが北海道に必要な新しい文化政策を考える出発地点になると信じて。

日時

2022年8月2日(火)13:30~17:00 (13:00受付開始)

会場

札幌市教育文化会館 研修室305(札幌市中央区北1条西13丁目)

内容

  • 基調講演①【「大きな文化政策」という視点一 人間が人間としてあるために】佐野真由子(京都⼤学⼤学院教育学研究科教授)
  • 基調講演②【会うことのない誰かを想像する文化政策】戸館正史氏(松山ブンカ・ラボ ディレクター・愛媛大学社会共創学部助教)
  • クローストーク/質疑応答

人材育成プログラム

人口減少や少子高齢化などを要因とする様々な課題が顕在化しているいま、私たちは従来の概念にとらわれない発想で地域に活力と発信力を創出していくことが求められており、文化芸術もまた、こうした課題に対して、従来以上に真剣に向き合うことが求められています。 

音楽や演劇などの実演芸術がその力を発揮することができるよう、本講座では本年度「企画力を磨く」をテーマに、多様な視点で実演芸術の持つ力を引き出すことができる地域に根差ざした実行力のある人材の育成をめざしていきます。 これからの北海道を文化芸術の力で変えていきたい、そんな意欲あふれる方々のご応募をお待ちしております。 

日時

2022年
9月5日(月)10:30〜15:30
10月17日(月)10:30〜16:00
11月7日(月) 11:00~16:00 

全3回の講座開催のほか、「JAPAN LIVE YELL project in HOKKAIDO 2022」で行う音楽、演劇等の公演にスタッフとして参加し、実践力を養っていきます。

応募資格

下記の①~⑤のいずれかに該当する方。講座別の申込可能(ただし、全3講座すべてに参加できる方を優先します)

  1. 劇場などの文化施設や芸術に携わる団体に所属する職員や団員
  2. 自治体において文化政策に携わる職員
  3. 地域のまちづくりに携わる団体スタッフ、個人
  4. アーティスト・表現者・制作者・プロデューサー・アートマネージャー
  5. 文化芸術活動やまちづくりに関心のある大学生・大学院生

応募締切

2022年8月5日(金)


札幌演劇シーズン10周年を迎える今年に始まった「北海道シアターカウンシルプロジェクト」。札幌の演劇環境をよりよくしていくための議論の機会を提供する場として、これからも様々な企画が動いていきそうです!

各企画の詳細やお申し込みについては、公式サイトをご確認ください。

お問い合わせ

jlyp.hokkaido@gmail.com