歴代実行委員長が魅力を語る!札幌学生対校演劇祭オンライン座談会を開催しました

2010年に始まった、学生による学生のための演劇祭「札幌学生対校演劇祭」、通称「対校祭」。

各大学の演劇サークル・ユニットは、毎年決められたテーマに沿った短編演劇を上演し、優秀な団体は全国学生演劇祭への出場権を手にすることができます。

今年のテーマは「impACT」。インパクト(衝撃)とアクト(演じること)を掛け合わせたこのテーマに、各校はどのように挑戦するのでしょうか。

開催に先立ち、対校祭の魅力や歴史、実行委員会の面白さなどを歴代実行委員長が語るオンライン座談会を開催しました。この記事では座談会の様子をご紹介します。

参加者プロフィール

米沢 春花

高校の頃に観劇した舞台に感動、特に舞台装置に感銘を受けて舞台装置作りを始める。そこから、空間演出の面白さに気がつき、脚本・演出を始め、劇団fireworksを作る。以降、劇団の本公演全ての脚本・演出を手がける。人が好き。字はキタナイ。山があったら登るタイプ。

井上 悠介

1995年2月9日生まれ。2016年第7章対校祭で実行委員長を務める。対校祭や合同祭を通して知り合ったメンバーと共に演劇ユニット「きっとろんどん」を結成。作・演出を務める。2022年2月末に札幌から東京に活動の場を移す。

大橋 拓真

北海道大学劇団しろちゃん出身。第9回対校祭実行委員長。第7回対校祭役者賞受賞。演劇には主に役者的なポジションで関与してきた。夏休みに帰省する際にブレーカーを落として冷蔵庫のものを全て腐らせたことがある。家の中のランダムな場所に靴下を脱ぎ捨てる癖あり。

立花 悠華

札幌学生対校演劇祭の実行委員長を2年連続務める。演劇祭未経験でもコロナ渦でもめげずに対校祭を開催してきたハートの熱い人物。対校祭の根を絶やさないために歴代の実行委員長に声をかけ、オンライントークショーを企画し、実施した。劇団SON`sSUNに所属。

対校祭の意義

対校祭は2010年の第1回目以来、毎年継続して行われている学生のための演劇の大会。優秀な成績を収めた学校は全国大会の切符を手にします。大学サークルだけでなく学生によるユニットも参加しています。

しかし、コロナ禍で発表の機会が失われた学生にとって、対校祭は全国大会の予選としてだけでなく、「作品を発表する場」としても大きな意義があるイベントになっていると、歴代委員長は語ります。

また、実行委員に入ることで、普段はあまり接点がない他大学のメンバーと仲良くなるきっかけにもなります!

 

委員会のお仕事

対校祭の面白さを誰よりも味わえるのが、実行委員会。委員になると、対校祭の運営に関わる多くのことを決められます。

たとえば、毎年の審査員は実行委員会の話し合いで決められています。2016年の対校祭では、「演劇家ではない人も審査員にお願いしてみよう!」という思いで、前札幌市長・上田文雄氏やHTBディレクター・藤村忠寿氏に審査員の依頼をしていました。

ほかにも、テーマ(作品の共通したコンセプト)を決めることができるのも委員会の魅力です。

実行委員になることで、自分が思い描く「最高の対校祭」を実現することができるかもしれません!


参考
これまでの対校祭札幌学生対校演劇祭公式サイト

 

委員長のいいところ

対談は、委員長になってよかったこと・楽しかったことの話題もありました。

米沢 私が委員長のときは第1回目ということもあり、出場依頼の交渉をするために各大学を回っていました。その中で、各大学の学食を巡ったのがすごい楽しかったですね。酪農学園大学は鹿肉が出るんですよ。

 

大橋 僕の時も、会議を各大学の持ち回りでやっていたので色んな大学に行けたのは楽しかったです。あとは、実行委員しか入れないサンピアザ劇場の部屋があったり。審査員のお話を聞けたのもすごい面白かったです。

 

米沢 実行委員での経験が今の活動にもつながっています。私は自分の団体で「北海道短編エンゲキ祭」を主催していますが、対校祭のときのノウハウ・企画力が活かされているなと感じます。

 

井上 僕もそうですね。合同祭や対校祭が、いまの自分のユニットの活動につながっています。対校祭で知り合ったスタッフに自分の旗揚げ公演も手伝ってもらいました。

委員長の時も副委員長をはじめ委員会のみんなにはかなり助けられました。委員長が一人で背負わないのも大切ですね。

 

大橋 忙しすぎると(自分のサークルの活動でも)悪影響ありますしね。お互いの仕事を任せあうことで、横のつながりもできるし。対校祭をきっかけに生まれた「機会があったらやろう!」というアイデアを実現できているのも、委員会でのつながりがあったからだと思います。

 

これからの対校祭

今年の対校祭は、サンピアザ劇場の休館にともない、演劇専用小劇場BLOCHで開催します。

劇場が変わったことをきっかけに、対校祭の中身にも変化があるかもしれません。それを決めるのも、実行委員の役割です。

米沢さんは「いまが対校祭を変えるチャンスです」と新たな実行委員の参加を呼びかけます。

開催時期は2022年10月。出場団体のほか、実行委員の募集もしています。

 

対校祭Q&A

他の地域では運営は自分たちでやってないみたいです。参加団体が自分たちで運営することのメリット、デメリットは何ですか?

井上 自分たちでやることで、不明瞭なことはなくせます。デメリットは、やることが多いことですかね…。それも捉え方によっては大きなメリットにもなりますね。

米沢 どこまで厳格なルールがあるのかなどを把握できるので、芝居づくりにおいても役立ちます。

大橋 審査員やテーマも自分たちで決められるのも大きいですね。当事者意識も強くなります!

 

委員長はたくさん人にお願いしたり頼むことが多いと思いますが、人にものを頼むコツは何ですか?

井上 コツ……大変そうな顔をする、かな(笑)

色んな人に頼むことは良いことです。遠慮して全部一人でやろうとすると、そこで情報も止まってしまう。信頼していることを伝えていくのが大事ですね。

米沢 あまり気張らずにさらっとお願いしても大丈夫だと思います。井上くんは藤村さんにお願いできるってすごい。

井上 HTBに鬼電しました。検討しますね、と言われたので、気づかないふりして連絡し続けましたね。

米沢 大人にお願いするときは、笑顔で「大学生です」と伝えれば、みんな聞いてくれると思います!

 

今後の対校祭を盛り上げる方法として、何かアイデアはありますか?

米沢 井上くんみたいに、有名人に電話をかけまけるとかはどうですか。

井上 ドラフト会議みたいに、対校祭に出演している役者の中から札幌の劇団に出られるみたいな仕組みがあっても面白いかもしれないですね。

大橋 新しい風を入れたいと思ってる劇団もたくさんあると思うので、どこかの団体に「絶対対校祭から一人は出してください」とお願いしてみたり。対校祭をオーディションの場にもしてもいいかもしれませんね。映画監督とかCM制作会社とかに協力してもらって。


今年はどんな対校祭になるのでしょうか。次世代の実行委員も募集中です。

対校祭に興味を持った方は、公式Twitterもチェックですよ!

お問い合わせ

taikousai@gmail.com