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札幌演劇へのラブレター「さっぽろ演劇ガイドブック」が完成

TGR札幌劇場祭も始まり、札幌演劇が盛り上がりを見せているこの頃、とある一冊の冊子が完成しました。

「さっぽろ演劇ガイドブック」 という、演劇を見たことがない人を含む多くの人に札幌演劇の魅力を伝えるために生まれた一冊です。

制作したのは札幌演劇の数多くのフライヤーデザインを手がけ、自身も役者として活躍を見せている むらかみなお さん。本人が在籍する札幌市立大学デザイン学部での卒業研究として制作されました。

今回は、そんなさっぽろ演劇ガイドブックの中身を大公開!さらに、むらかみなおさんのこの冊子にかける想いや制作秘話についてインタビューを行いました。是非最後までご覧ください。

さっぽろ演劇ガイドブックとは

(制作:さっぽろ演劇ガイドブック実行委員会 協力:d-SAP カジタシノブ 鎌塚慎平 デザイン:むらかみなお モデル撮影:大河原諒)

実際の冊子はB6サイズの全12P。わかりやすくかつ洗練されたデザインで、まるでファッション誌のような華やかさをもって劇場紹介や観劇ルールを掲載しています。

演劇を普段から楽しんでいる人はもちろん、「演劇ってどこでやってるの?」「見たことないし…」「そもそもどうやって見る劇を決めるの?」と考えている、 演劇を見たことがない人にもぴったりの内容になっています。

今後市内の劇場や駅、学校など様々な場所に配布される予定ですが、今すぐ欲しい!という方は こちら から印刷をしてホッチキスで留めれば、A4紙でもあっという間に作ることができます。自分用に持ち歩くのも良いかもしれません。

むらかみなおさんインタビュー

むらかみなお

札幌育ち。札幌市立大学デザイン学部メディアデザインコース4年。小4から演劇を始め、高校の演劇部長、デンコラ代表などを経て、2017年頃からフライヤーやパンフレットなどの宣伝デザインを手がけ始める。仕事のご依頼はお気軽にこちらまで→naok426@gmail.com

デザインでお客さんを呼びたい

今の札幌演劇界って、本当に色んな人が 「新しいお客さんに見てもらえない問題」を訴えてるじゃないですか。実際に劇団関係者の方がSNSで、「今まで演劇を見たことない人にも見てほしいです!」って宣伝してるけど、実際のところその宣伝範囲ってすごく狭くて、現状ではあまり効果的じゃないと思ってるんですよね。

私もその問題については何とかしたいと思っている一人なので、私には何ができるだろうって考えたときに、大学でデザインを学んでいるっていうのはかなり大きいんじゃないかなと思ったんです。 「デザインでお客さんを呼びたい」と考えたが最初のきっかけでしたね。

今まで札幌演劇のいくつかのチラシを担当させてもらいましたが、実際演劇を見たことない人や興味ない人にチラシだけを渡してもあまり意味ないと思っていて、その前段階になるものが必要だと感じたんです。

私の大学の卒業研究のテーマが、 「フライヤー□をラブレター♥にする」というもので、ラブレターがフライヤーだとして、1通のラブレターだけじゃきっと想いは伝えきれないから、ラブレターを渡す前に「私たちはこういう者ですよ、知ってもらえませんか」って伝える物を紙媒体で作りたいと思ったのも大きなきっかけの一つですね。

思い出作りの手助けに

d-SAP監修の「はじめてカンゲキ 完ペキ解説」p.4〜5

この冊子を作ろうって思い立ったときに、まずd-SAPさんにはご協力してほしいと思って(笑)札幌演劇の情報を伝えるweb媒体という立ち位置から協力していただきました。

それから、学生の視点だけじゃ心細かったので、ELEVEN NINESintro のゼネラルマネージャーであるカジタシノブさんや、劇団・木製ボイジャー14号の鎌塚慎平さんにも企画段階からご協力をお願いしました。そこでどういうページを作ろうか相談していて、札幌の劇団を紹介するとちょっと奥まった世界になってしまうので、劇場の紹介からした方が良いんじゃないかという話になりました。

劇団に比べると劇場の魅力について語っている人は少ないと思うので、それぞれのキャッチコピーを考えたりしてちょっとだけ踏み入ったところまで紹介できていたらいいなと思います。もちろんそれぞれの劇場に特有の良さがありますし、さらに中島公園や琴似など劇場周辺の場所にもすごく魅力があると思います。

今回は劇場の周りのお店なども取り上げたので、みなさんが「劇も面白かったし、カフェも良かったよね」って思えるような、 一日の思い出をより濃くする手助けになりたいです。一人で行くのもいいですし、誰かと行っても楽しめる雰囲気のお店が多いので、そこで見た劇の感想を語り合うのも良い経験になると思います。

お店には一軒一軒メールなり電話なりで取材のお願いをして、実際に商品を注文して取材させていただきました。表紙のモデル撮影はプロの方におまかせしていますが、お店の写真はほとんどは私が撮影しました。カメラは専門というわけではないので慣れない手つきで…(笑)取材のお願いをした際は劇場の方もお店の方もすごく快く引き受けてくださって、本当にたくさんの人のあたたかさと優しさで出来た冊子だなと実感しています。

それから、実はこの冊子を作る上で 「UMAJO」という競馬に関するサイトを参考にしました。「競馬って何だか怖いし汚そう」というイメージを払拭して、世の中の女の子にもっと競馬を楽しんでもらいたいというコンセプトのWebサイトなんですが、私自身これを読んで初めて競馬場に行きました。競馬という未知の世界を紹介するアプローチの仕方がとても上手で、この冊子にも通じるところがあるんじゃないかと思い、かなり参考にした面はありますね。

札幌演劇へのラブレター

製作者の むらかみなお さん

私個人の卒業研究とはいえ、作って終わりじゃなくてどうせ作るなら絶対に配りたいと思いました。 札幌演劇界に還元できるものを絶対に作りたいという意思がありましたね。

私は来年就職して、今よりは札幌演劇に関わることが少なくなってしまうのでこれが私の集大成と言っても過言ではないです。私自身小学生の時からずっと演劇をやってきて、役者も演出も色々やりましたが、私は何か還元できているのかなあと考えていました。だから これは私から演劇界への「ありがとう」のラブレターでもあるんです。

折り込みチラシってそれこそ演劇見る人の手にしか渡らないので、劇場にどれだけおいても一定の範囲にしか届かないと思うんです。だからお店にも置いてもらえるような小さいサイズで、かつパラパラっと読める分量で作りました。お店だけじゃなくて、劇団関係者の方にも配って、自分の公演の宣伝をするときに「演劇ってこういうものなんですよ」って一緒に渡してアプローチできるようにしたいですね。あとは市内の大学にもどんどん設置をお願いしたいと思っています。

演劇ってこういうものなんですよ、と伝えるためのガイドブック

劇場の方とお話ししたときに、「最近の人は会いに行かなくなったよね」っていう話題が出ました。何十人に会いに行ってフライヤーを手渡しするところまではいかず、SNSだけで宣伝を終えてしまう。でも やっぱり、顔を見て渡した方が気持ちが伝わると思うんです。そういう時にこういうコンテンツがあれば、ただフライヤーを渡すだけよりは会いに行きやすいんじゃないかと思います。せっかく紙媒体として作ったので、どんどん会いに行ってほしいですね。

まずは卒業研究としてこのガイドブックを作って、これを見てくれた方が「もっとこういうの作ったらいいのに」って言ってくれたら嬉しいな、という意味を込めてvol.0と銘打ちました。私自身は、もっと企画も増やして年ごとに出せたら面白いと思うので、ぜひ良いなと思った方に協力していただけたら嬉しいです。


「さっぽろ演劇ガイドブック」は、市内の劇場や駅付近などに順次配布予定です。演劇をよく見に行くという方も、知らなかったお店や新しい魅力に出会えるかもしれません。そして周りの友人や同僚に配ってみてはいかかでしょうか。ぜひお手にとってみてください。

お問い合わせ
naok426@gmail.com(むらかみなお)