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らしさ全開のメランコリ・ラブストーリー|メロトゲニ札幌ツアー公演

「ツアーが決まった時に、どうせやるなら自分がやったことのない苦しそうなことをどんどんやっていこうと決めたんです。」

2019年11月28日から札幌公演を行う「メロトゲニ」のみなさんにお話を伺いました。札幌の劇団「おかめの三角フラスコ」を経て、2015年より東京に拠点を移し現在まで精力的に活動。今秋、満を持して札幌で帰還公演です。

一回りも二回りも大きくなったメロトゲニに多くの注目が集まる中、札幌への熱い想いと作品の見どころについて語っていただきました。

札幌〜東京を結ぶ活動を

ー はじめに、「メロトゲニ」がどのような団体か、結成した経緯も含めて教えてください。

村田こけしさん(以下、こけし) メロトゲニは、2010年から札幌で活動していた劇団「おかめの三角フラスコ」から、私と、原彩弓、金子ゆりが2015年に東京で立ち上げた劇団です。

おかめの三角フラスコ自体は消滅しておらず、劇団員は「俺たちは札幌で頑張るから東京行ってこいよ!」と送り出してくれました。

メロトゲニが発足してからも、BLOCHプロデュース公演として札幌公演に関わらせていただいたことはありましたが(2016年9月『食べごろ図鑑』)、メロトゲニの本公演として札幌で上演するのは今回が初めてです。

2019年からは、白鳥雄介、めんたいこ、まちだまちこが入団しさらにパワーアップしています。

 

ー メロトゲニとして初めての札幌公演ということで、意気込み・札幌への想いは強いんじゃないでしょうか。

こけし いやー、それはもう、やばいですよ!

札幌を出てから4年経って、札幌の演劇環境も少なからず変わったと思うし、若い劇団もたくさん出てきていると思います。

私たちが東京で作ってきた作品やその経験を、どれだけ札幌の人に伝えて面白いと思ってもらえるかはとても大きなチャレンジです。良い意味でプレッシャーを感じています。「メロトゲニは東京でどんな成長してきたんだ」という目で観てもらえるかな、と思います。緊張します。

東京で活動する10人のキャストを全員札幌に連れて行くことができるのも嬉しいです。そこに札幌公演限定キャスト3名を加えて、東京公演とはまた違った作品を上演します。

まちだまちこさん(以下、まちだ) 札幌でずっと活動してきたメンバーはプレッシャーを感じていると思いますが、私は今回初めて札幌でお芝居をするので、どういう出会いがあるのか楽しみです。他のキャストもみんな素晴らしいので、東京にこういう俳優がいるんだ、ってことを早く札幌の人たちに知ってもらいたい。

原彩弓さん(以下、原) 私も札幌でお芝居をするのは『食べごろ図鑑』以来なので、3年ぶりです。

さっきこけしちゃんも言っていたように、私たちのことを知っている人が多くいる土地で、俳優として「原ちゃんどれだけ成長したのかな」という風に観ていただけるのかな、と緊張感はありますね。でも、楽しみですすごく。

白鳥雄介さん(以下、白鳥) 僕は東京に出てきて2年半ほど経ちますが、環境が大きく変わり、お仕事としての演劇活動をさせていただくことも増えました。その経験を札幌に持ち帰り、良いところを見せたいです。

特に、東京でプロの制作さんのもとで学んだことを札幌のみなさんに伝える機会になったらいいなと思います。大好きな札幌に制作面のお土産を持っていけたらいいな、と。

東京のものを札幌に持って行く、というのはメロトゲニだからこそできることの一つかな、と思います。劇団ホームページにも「札幌〜東京を結ぶ活動をしている」と書いてあります。

こけし 私たち札幌が大好きなんです。今年からメロトゲニには札幌に関わりが深くないメンバーも入団しましたし、彼女たちと札幌の方々をミックスしたら面白いだろうなって思っています。

金子ゆりさん(以下、金子) 第5回公演にしてようやく「札幌〜東京を結ぶ活動」ができるんだね。

こけし 今までずっとやりたいと思ってきたことだったので、とても嬉しいです!

 

密室型メランコリ・ラブストーリー

ー 今回札幌で上演される作品『こぼれた街と、朝の果て。〜その偏愛と考察〜』はどのような作品ですか

まちだ 密室劇です。出演者13人(東京公演キャスト10人+札幌公演限定キャスト3人)が100分以上舞台上に居続け、出ハケはほとんどありません。

ある日目が覚めたら密室に閉じ込められていて、この場所は何なのか、なぜこのメンバーが集められたのか、自分たちの記憶を辿っていき、その謎を解明していきます。

記憶を辿っていく過程で、身の回りの人間関係の問題や抱いていた感情を思い出し、それがメランコリ・ラブストーリーへと繋がっていきます。

 

ー 出ハケのない密室劇!俳優にとっては過酷かと思いますが、稽古の調子はいかがでしょうか。

 大変です、私はものすごくトイレが近いので…。

一同 (笑い)

 みなさんの前で醜態をさらさないかという不安はあるんですけれど。通し稽古をしてても「あ、トイレ」と思うこと結構あって。本番になると緊張とかもするだろうから…。

まちだ 逆に考えれば、上演中は水も飲めないからね。入る水分が少ない分、出る水分もないよ、きっと。

白鳥 ちょっと、聞きたいのはそういうことじゃないでしょ!

 

ー いやいや、トイレ事情は大事ですよね…!

まちだ 実際に密室に閉じ込められたらトイレにも行けないですからね。

実は私は、出ハケのない劇はけっこうやりやすく感じています。一旦楽屋に戻ることがないので、常に劇世界に居続けることになります。気を抜ける時間がない分、余計なことを考える必要なく没頭できる。集中力を保てる。

白鳥 こけしさんは群像劇を書くことが多いのですが、今回は主役がいて、彼を主軸としながら色々な登場人物の偏愛模様を見せていく物語になります。

僕は、こけしさん密室劇を今後得意としていっていいんじゃないかなと思っています。映像と違って、演劇は観客がどこを見てもいいじゃないですか。どこを切り取っても偏愛している、どこを見てもドラマが動いている状態を100分作っているので、演劇として生きる作品だなと感じています。

その分、僕ら俳優はエネルギーを使いますね。気を抜けないです!

 

ー 気を抜けない俳優の緊張感も見どころになりますね。

白鳥 そうですね。ただ、どこを見てもいい一方で、お客さんの視線を誘導するような演出も工夫されています。突然、ある登場人物に全員のフォーカスが集まるような。

こけし あるね。突然この人に注目!?っていうの。

密室劇を書くのは生まれて初めてです。観るのは好きなんですけれどね。ツアーが決まった時に、どうせやるなら自分がやったことのない苦しそうなことをどんどんやっていこうと決めたんです。

せっかく札幌に帰るので、挑戦する姿勢を持っていきたいな、と。一番つらそうなときに一番つらいことをやろうって。つらいことはどんどん面白くなっていくので。

 

稽古の様子(2019年11月8日撮影)

 

ー 札幌公演では、東京公演キャストに加えて札幌公演限定キャストが3名出演されますね。

こけし 東京公演では10人の密室劇だったのが、札幌公演にはさらに3名キャストを追加します。物語の軸は変わりませんが、東京公演で多く語られなかった人物が、札幌公演では登場人物となって出てきます。

結末も、東京公演とは少し違ったものになる予定です。時間とお金に余裕があったら、どちらも観て欲しい!

白鳥 札幌公演は、ディレクターズカット版です!

 

ー 10人が閉じ込められるというお話が、札幌公演になると13人が閉じ込められるというお話になる、ということですね。となると、札幌公演限定キャストの3名の方とはしっかりと稽古時間を確保しておきたいと思うのですが、そこはどうやって工夫されているのでしょうか。

白鳥 札幌で達者な俳優を3人誘いました。彼らと一緒なら乗り切れるんじゃないか、という期待です。

また、アーティスト・イン・レジデンス(※)施設のさっぽろ天神山アートスタジオに寝泊まりさせていただくので、札幌キャストの方々にもできる限り缶詰めで稽古に参加していただきます。

ツアーなのでお金や時間の問題はどうしても生じてしまいますが、いまの僕らのベストの稽古スケジュールを組みました。

※アーティスト・イン・レジデンス:招聘されたアーティストが、ある土地に滞在し、作品の制作やリサーチ活動を行なうこと、またそれらの活動を支援する制度。

 

ー 達者な3名の札幌公演限定キャストですが、キャスティングの決め手となったそれぞれの特徴は何でしょうか。

こけし 札幌公演限定キャストは、氏次啓さん(札幌FEDE)、泉香奈子さん(パインソー)、五十嵐穂さん(札幌FEDE)。

氏次さんは、私の活動のターニングポイントになるような作品にいつも出演してもらっています。今回も、初めての札幌帰還公演ということで氏次さんにオファーいたしました。

私の作品は若い女の子が出る脚本が多く、泉香奈子と五十嵐穂はずっと一緒にやってみたかった俳優でした。

2人は独特なものを持っているんですよね。可愛らしさと、キッチュさというか毒っぽさというか、それらを両立して持ち合わせていたり、ニコニコしているけれど実は魂が熱かったり。若いのにすごく達者な俳優だな、とずっと注目していました。

白鳥 僕は、若い世代とやりたかったんです。2人は、僕らより8か7コくらい下の世代です。

僕らと同世代の演劇人が少しずつフェードアウトしていっている寂しさと、それでも続けている人がいる嬉しさを感じています。せっかく札幌に帰って公演をするなら、同世代だけで作り上げてしまいたくなかった。

僕らが目指している「札幌でメロトゲニが盛り上がること」を達成するためには、若い世代の演劇人をキャスティングして、若い世代のお客さんに観ていただきたかったんです。世代を越えて、関係性が続いていくような。

こけし ちょうど私たちが2人の年齢くらいのときに、BLOCHの方々が若い劇団にたくさん声をかけてて、今東京で活動している川尻恵太さんもその世代なんですけれど、先輩が積極的に「若い子のやっていること面白そうだね」って誘ってくれていたんです。

そういう流れを、今度は自分たちが札幌で作っていけたらなと思っています。

 

らしさ全開の札幌公演を

美術・金子ゆりさん(メロトゲニ)

ー メロトゲニは今回、クラウドファンディング企画「中高生無料招待枠100人分を作りたい」にも挑戦していました。133%の達成率からも多くの方からの期待がうかがえます。おめでとうございます!

こけし ありがとうございます!

白鳥 クラウドファンディングをやっている劇団や公演はいくつか見たことがありますが、僕たちとしては、メロトゲニが札幌に行く意味や今後の発展を考えたときに、新しいお客さんに出会うことが必要だなと考えました。

ツアーにかかる費用の問題を解決すると同時に、新しいお客さんにメロトゲニを観てもらうためにはどうしたらいいかを考え、思いついたのがクラウドファンディングです。至った結論は、東京と札幌の中高生に無料で観ていただくことです。

もちろん、社会人で働いている方には正規の金額で観ていただいて評価を受けたいですけれども、それがかなわない中学生・高校生に、将来的にメロトゲニのファンになっていただける可能性のある方にも観ていただきたかった。演劇のチケットってやっぱり高いじゃないですか。

 

ー メロトゲニは、SNS等の運用や広報面でもさまざまな取り組みをされていますね。

白鳥 他の劇団にはないメロトゲニの最大の強みの一つは、劇団員に美術専門スタッフがいることです(金子ゆり)。広報にかかる費用がすごく削減できるし、あらゆる美術・デザイン面で劇団員が「メロトゲニらしさ」を作ることができるので、広報にはとても力を入れています。

公演情報を発表してから本番に至るまでの期間が楽しくなるように、公演当日を待っている間にも情報が途切れず、好きな人にはもっと好きになってもらえるように、作品を楽しみにしてくれている方にはもっともっと楽しみになって劇場に来ていただけるように、っていうのが制作として心がけているところです。

 

ー 美術・デザイン面での「メロトゲニらしさ」とはどういったものでしょうか。

金子 らしさ……何でしょうね!(笑)

まちだ ゆりちゃんのデザインを見ていて、不思議というか、ファンタジーというか、夢みたいな感じはするよ。

金子 そうかもしれない。札幌でおかめの三角フラスコをやっているときから、こけしちゃんの書く本を読んでるとどうしてもファンタジーや夢に結びついてしまう。

今回のチラシを作るときも、脚本にはそんな描写ないんだけれど、主人公が見ている夢を勝手に私が想像して描いています。作品の主軸とはちょっと違うような、世界観を膨らませたようなものが多いのかな。

こけし 金子に美術をオーダーしたときに、数日後お互い持ち寄ったモチーフが同じっていうことがよくあります。言葉で説明しなくても、メロトゲニの世界観を共有できている感覚です。

技術があって、オーダー通りにデザインしてくれる方は他にもいますが、金子は私の描く世界観をさらに膨らませてくれるのでメロトゲニにとって必要不可欠です。

 フライヤーやグッズをお客さんに見せたときに、「かわいい」とか「おしゃれだね」という感想はよく聞きますね。オリジナルTシャツも、普段づかいできるようなデザインです。作品名や劇団名がドン!と前面に出ているものじゃなく、既に持っている服にもあわせて着られるような。

そういうグッズやデザインを劇団が作ることができるっていうのは、私たちの強みですね。

白鳥 普段づかいできるのはすごく大事ですよね。「そのTシャツ何?」「この前観たお芝居でさ」と話題に出してもらえるようなグッズを心がけています。

 

稽古の様子(2019年11月8日撮影)

 

ー 札幌公演では、レイトショーイベントも開催されますね。

白鳥 はい。お客さんと演劇じゃないところで交流したいと思って企画しました。普段の僕たちを知っていただく機会を設けたかったし、札幌演劇人と東京演劇人の交流の場にもしたかった。

もともと、おかめの三角フラスコはずっとレイトショーをやっている劇団だったんです。22:00公演。

こけし 人気の回だったんですよ。

 アパレルさんや美容師さん、バンドマンの方々は19:00公演とかだと観に来れなかったので、彼らにも観てもらえるように22:00公演を行なっていました。

白鳥 いまレイトショーをやっている劇団って札幌ではなかなかいないじゃないですか。そんな時間でもメロトゲニは楽しいことをやっているぞ、というのを出したかった。

こけし 夜な夜な。

白鳥 こけしさんといえばレイトショー。札幌に戻るからには、そこも大切にしたいなと。

舞台上では「おメロの演劇実験室」という名前で、誰もが知っている有名なストーリーを、村田こけし、赤谷翔次郎(札幌FEDE)、白鳥雄介の3人がそれぞれ演出するという企画です。

普段だったらやらないような演出や、実はこういうの好きなんだけれどいつもは胸に閉じ込めているものとかを、演出として自由に出していく。その演出模様や俳優があたふたする模様をエンタメショーとしてお送りします。

ロビーでは同時開催で「おメロのレイトフリーマーケット」という企画も行います。メロトゲニのグッズや俳優の私物を売っています。

お芝居だけじゃなく、舞台上だけじゃなく、劇場空間すべてがメロトゲニに占拠されている状態を作りたかった。ぜひこちらもお楽しみいただければと思います!

 

新しい風を吹かすような

作演出・村田こけしさん(メロトゲニ)

ー メロトゲニには札幌と東京の2都市の演劇環境を経験しているメンバーもいますが、2都市を比較して、札幌の演劇環境や劇団・劇場の現状について何か思うことはありますか。

こけし 環境の違いという意味では、やはり東京の方が規模が大きいです。劇団も劇場も分母の数が全然違う。世界レベルのものから、小劇場でコツコツとやっているものまで、ものすごくたくさんあります。

そういう違いは感じながらも、どこでやっていても演劇が好きだということには変わりがないんだということにも気付かされます。どちらの方が演劇人のやる気が高いとか、やり方がどうとか、そういう違いは感じないです。

強いて言うなら、札幌の方が演劇の質に対して厳しいんじゃないかな。面白いものを作る、ということに関して目が肥えているんじゃないかな。東京ももちろん厳しいけれど、札幌にはまた独特の厳しさがあるというか。もし挑戦していない芝居を札幌で作ったら、手を抜いているって一発でバレる気がしますね。

 札幌時代はやる劇場も限られていたんですけれど、東京は各駅付近に劇場が必ずあるような感じなので、こけしちゃんが言うように分母の違いはあるんですけれど、基本的にはやっていることはお芝居だし、ものづくりに対する真剣さやスタンスは変わらないと思います。

白鳥 俳優をやっている限りは、札幌も東京もあんまり変わらないと思います。熱い人はどこまでも熱いし、刺激になる人はどちらにもたくさんいるし。

むしろ札幌の方が、社会人もやりながらの俳優が出す稽古での瞬間的な面白さは、特に秀でているという印象があります。達者な人が多いなって。

違いがあるとしたら、やっぱり規模ですよね。劇場、劇団の数はものすごいし、毎日どこかではお芝居がやっています。その分東京だと、埋もれてしまう可能性も高いですよね。まず目に留まるためにはどうしたらいいのかを、東京に出てから強く考えるようになりましたね。

 

ー 近年は、「札幌演劇を盛り上げよう」「演劇創造都市札幌を目指そう」などとスローガンのように言われることが多くなり、札幌演劇シーズンなどのイベントもこうした文脈で誕生しました。

みなさんは、「盛り上げよう」や「発展しよう」と聞いて、具体的にどういったイメージをされるでしょうか。東京のように規模を大きくすることでしょうか。各劇団の動員数をもっと増やすことでしょうか。

白鳥 メロトゲニ劇団員である僕個人的な考えとしては、「札幌に帰ってきたメロトゲニが、その年札幌で一番面白い演劇を上演した」と言われるような作品を作りたい。札幌を拠点に活動している演劇人に、そういった意味で焦りを感じさせてやりたい!という思いです。

そうやって、東京と札幌の演劇交流をしていきたいと考えています。まだ全体を見る余裕がないけれど、今できることとして、とにかく面白いものを持っていく。他の札幌の劇団と切磋琢磨し、協力し合って発展できたらな、と思います。

まちだ 東京は規模が大きい分、飽和状態になっている感じがします。分母が大きいだけ、何を観に行くかとかどんな芝居があるかとか情報がすっきりしない。

私は札幌の演劇界をあまり知らないけれど、ミニマムなところがすごく良いところなんじゃないかなと思っています。規模が大きければいいってわけじゃない。

こけちゃんがさっき言っていたように、目が肥えている人が多いっていうのも、そうしたミニマムな規模が影響していると思います。劇団とお客さんが一緒に成長していくことができる規模感なんじゃないかな、と勝手な印象ながら思っています。

もちろん札幌から全国区の劇団・俳優を輩出していくことは目標の一つとしてあるのかもしれませんが、それは拠点である札幌演劇があってこそだと思うので、そのミニマムさを利用して、東京にはできない札幌ならではの発展ができるんじゃないかなと思います。

こけし 最近強く思っているのは、札幌の若い劇団が減っちゃったんじゃないかな。私たちが札幌でやっていたときは、BLOCHは借りられない劇場だった。若い劇団が多すぎて。

もちろん色々な事情が要因があるんだろうけれど、もっと若い演劇人が劇団を立ち上げられるような取り組みがあったらいいのかもしれません。演劇に限らず、新しいことが始まっていく中で若手が首を突っ込めない環境になっているのならば、そこに発展は見込めないと思います。

若手が原因なのか、若手にお金や機会を与える取り組みが減ってきちゃっているのが原因なのかはわからないけれど、若い演劇人が精力的に活動できるような環境を整備するところから札幌演劇界の発展が起こってくるんじゃないかな、と思っています。

先日きっとろんどんが東京公演を行いましたが、それに続いて同世代の若い劇団がどんどん次のステージに上がっていくような、そういう環境が望ましいんじゃないでしょうか。

新しい風を吹かすような、20代前半の若い演劇人を札幌演劇シーンに取り込んでいくような要素があったら面白いんじゃないかな。

 

ー クラウドファンディング「中高生無料招待枠100人分を作りたい」も、まさに若い世代に対するアプローチですね。

白鳥 そうですね。札幌公演限定キャストも含め、若い世代に対するアプローチは常に心がけています。

金子 若い世代だけじゃなく、演劇界隈の外にいる人を巻き込むことも大事かなって思います。私も、最初は美術が好きってだけで、演劇には全然興味がなかったんです。

こけしちゃんと高校が一緒で、たまたま道で出会ったときに「チラシ作らない?」って声をかけてくれて、今は劇団員になっちゃいました。

札幌には美術・デザイン系の大学もあるし、演劇界隈の外の方々も十分関われる余地があるのに、演劇が好きな人しか演劇をやっていないようなイメージがある。色んな人たちが演劇に関われるようになったら新しい化学反応が起こるんじゃないかなって。

こけし 新しい劇団員のめんたいこはダンサー・振付師です。メロトゲニで演劇を初体験しました。

めんたいこ ダンスも演技なので、演劇にはずっと興味がありました。演劇経験がなかった私を受け入れてくれる器が、メロトゲニにはあった。その吸収力を持つ勇気って難しいことだと思います。ずっと慣れているメンバーのままでいいって思ったら、安定して新しい作品も作れるだろうけれど、閉鎖的になってしまう。

札幌公演には、私は自己紹介のつもりですのでとても楽しみです。メロトゲニのルーツとなった土地に行けるのがとても嬉しいです。

まちだ みんなが演劇と出会った土地に行けるのは、道外組にとっては嬉しいですね。

白鳥 制作としても、演劇人だけでまとまらないようにすることは心がけています。美術の金子がいて、振付師のめんたいこがいて、音楽も「本棚のモヨコ」というバンドのボーカル森脩平さんに、映像もアニメーターの22エモンさんにお願いしました。

演劇外の分野で活動している人と共同で作品作りをしていくことにこだわっています。

こけし それは札幌にいるときから意識していました。演劇経験のない人と演劇を作りたかった。

 職場で出会ったお兄さんにオファーしたりね。演劇経験のない人と一緒にやってはじめて、演劇界隈の暗黙のルールや閉鎖性に気づくこともありました。

こけし そういう方々が、ものづくりの突破口を切り開いてくれる。新しいことをやりたいって言っているわりに、実はすごく狭い世界で生きているんじゃないかなってその時に強く思ったんです。

 

ー 最後に、記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

こけし メロトゲニは新メンバーも加わって、初めて札幌公演ができることになりました。たくさんの人に楽しんでもらえるように、メロトゲニが好きになってもらえるように、とにかく面白いものを作って持っていきますので、ぜひ劇場でお会いしたく思っております!

白鳥 中高生の方々にもたくさん来て欲しいです。無料です!

メロトゲニは作品はもちろんですが、グッズやレイトショーイベント等の作品外の取り組みにも力を入れておりますので、まるっとメロトゲニをお楽しみいただければ嬉しいです。

 

2019年11月8日
メロトゲニ稽古場 にて

公演情報

タイトル「こぼれた街と、朝の果て。~その偏愛と考察~」
劇 団メロトゲニ
会 場演劇専用小劇場BLOCH
日 時2019年11月28日(木)〜12月1日(日)
11月28日(木)20:00
11月29日(金)20:00
11月30日(土)14:00/19:00
12月1日(日)14:00
全5ステージ
※受付開始は開演45分前、開場は30分前
概 要この街から見える無数の星の輝きを、仮に何かに例えるならば、
それは小さな枕の中の、細かいビーズのようだった。
狭い狭いこの部屋と、広い広いこの街で、いびつな僕たち・私たちは、
誰に選ばれ、誰を選ぶのだろう。なにものでもない僕らにしか、できないことだった。新メンバーを迎え、新体制のメロトゲニが撃ち放つのは、
メランコリ・ラブストーリー。
一つの部屋に集められた人々が、心の内側を覗きながら探りあう、偏愛と考察を記録する物語。東京公演のほか、札幌ツアーも決まり、札幌公演では札幌限定の役者を使い、東京公演とはまた別の、さらに幅の広がる内容の公演を予定している。
脚本・演出村田こけし(メロトゲニ)
音 楽森脩平(本棚のモヨコ)
美 術金子ゆり(メロトゲニ)
出 演原彩弓(メロトゲニ)、まちだまちこ(メロトゲニ)、白鳥雄介(メロトゲニ)

戸澤亮(NEXTAGE)、青地洋、廣瀬詩映莉、西澤香夏(ソラカメ)、山田桃子(ブルドッキングヘッドロック)、片山英紀(劇団ビーチロック)、田畑賢人

-札幌公演限定キャスト-
五十嵐穂、泉香奈子(パインソー)、氏次啓

チケット前売 2,500円
当日 3,000円
学生前売 1,500円
学生当日 2,000 円
高校生以下 100席限定無料招待あり(要学生証提示)
*全席自由

【ご予約方法】
チケットぴあ Pコード:496342
販売URL:http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1933547
ローチケ Lコード:35479
販売URL:https://l-tike.com/order/?gLcode=35479
イープラス 販売URL:
https://eplus.jp/sf/detail/3014920001-P0030001(札幌公演)
カルテット・オンライン
販売URL:https://www.quartet-online.net/ticket/mello7
※イベント「闇の市」お席のご予約はコチラから!
※高校生以下100席限定無料招待あり!カルテットオンラインでのみ受付中!

お知らせ★札幌凱旋ツアー記念特別イベント「メロトゲニpresents 闇の市」

メロトゲニが札幌で送る危険な香りのレイトショーイベント、その名も「闇の市」
可愛くって、トゲがあって、笑っちゃうけど、ちょっぴりこわい。
メロトゲニらしさ漂う2つのメニューをご用意しました。

その1・「おメロの演劇実験室」
…演出家たちによる「本当はやってはいけない」演出を披露?!
ゲストアクターを迎えて、その場で演出案をプレゼン!
あなたは危険な演劇の裏側を覗き見る!

その2・「おメロのレイトフリーマーケット」
…ロビーで同時開催するサブコーナー!
役者持ち寄りのユーズドアイテム等を特別価格で販売してみる実験市場!!
値段交渉あり!!

日時:11月30 日(土)21:30〜(22:45 終演予定)
※受付・開場は 21:00より
場所:演劇専用小劇場BLOCH
料金:前売・当日 1,000 円(カルテットオンラインのみでの販売)

出演:村田こけし、赤谷翔次郎、白鳥雄介、戸澤亮、田中温子、廣瀬詩映莉、大和田舞、青地洋、原彩弓、まちだまちこ他
MC:氏次啓

Web公式サイト
お問い合わせTel:090-5951-9639(制作) Mail:mellotogeni@gmail.com
参考 メロトゲニ公式サイト