こんにちは、佐久間(@playpray_joshua)です。札幌演劇シーズン2017-冬の開幕が目前に迫ってきており、毎日氷点下の札幌でも演劇界は熱く燃えているのを感じています。
札幌では毎日のように公演がありますが、実は高校演劇だって負けていません。今回は3月下旬に高校生だけで上演する舞台公演「もしイタ」を企画している冨樫美羽さん(@E_Oshibai)にインタビューしました。とても情熱に溢れている方で、楽しくお話させていただきました。
高校生だけで「もしイタ」をやるに至った経緯
今回、「もしイタ」を高校生だけでつくるということですが、上演するに至った経緯を教えてください。
冨樫美羽さん(以下、冨樫):中学2年生の夏に参加したワークショップの題材が「もしイタ」でした。それがすごく楽しくて、発表公演が終わったときから「またやろう!」って決めていたんです。いま高校で一緒に演劇やっている部活の仲間たちもやる気のある人たちで、はじめは卒業公演として何かできたらいいねって話を軽い感じでしていました。脚本なにやるか考えていたとき、じゃあそこで「もしイタ」やっちゃえばいいじゃんって思ったのがきっかけでした。
もともと自分の部活の卒業公演としてやろうとしてた?
冨樫:はい、きっかけはそうだったんですけど、「もしイタ」やるためには人数が全然足りないからほかに仲間を集めようってなりました。そうやって集まったメンバーなので、高校生だけでつくる形になっちゃったんです。
それで教育文化会館を貸し切った。
冨樫:そうそう。「もしイタ」は照明や音響を使わないお芝居なので、比較的安く済みました。
その行動力がすごい!
冨樫:いやいや。札幌の演劇部ってはじまりが教文じゃないですか、中文連も教文が会場だし。私の学生演劇のシメも教文でしよう!って思って。だから、どうしても教文でやりたかったんです。
作者の畑澤さんとは何かお話ししましたか。
冨樫:上演許可を取るときに少し。以前ワークショップに参加したときのことを覚えてくれていて。「頑張れ。応援してるよ。」って励ましてくれました。
中高はけっこうやりたい放題やっていました。
演劇を始めたきっかけはなんですか。
冨樫:小学6年生のときに参加した、近くの大学の演劇サークルが開催していた子ども演劇ワークショップが始まりでした。チラシを見て、なんとなく、暇だしやってみようって思って。もともとお姉ちゃんが演劇部だったんです。昔からお姉ちゃんに対抗心があって、お姉ちゃんにできるなら私もできる!みたいな笑。そうやって始めたんですけど、お姉ちゃんはもう演劇やってなくて、体操やってます。
体操?
冨樫:はい。私も小学2年生から中学1年生まで新体操をやっていました。で、中学に入って演劇部に入って。
いま思い返してみて、中学演劇部はどうでしたか。
冨樫:けっこうやりたい放題やっていました。中学3年生で部長をやって、脚本書いてミュージカルとかも挑戦したんですけど、私けっこう過去のこと思い返すと嫌になっちゃうんです。やっていた当時は楽しいんですけど。
高校演劇部も?
冨樫:いま思い返すと、最後の大会の芝居も嫌になっちゃう。高校でも割とやりたい放題やっていました。2年生から演出とかもやっていました。身体の構造が好きで、柔軟のリーダーみたいなことやっていたらみんな柔らかくなって、えーすごい!みたいになっちゃって。
冨樫に従っていると身体が柔らかくなるぞ!って?
冨樫:そうそう笑。
これからはどう演劇に関わっていくんですか。
冨樫:秋田を拠点として活動している「わらび座」っていう劇団の養成所に入ります。2年間研究生として頑張って、そこを切り抜けたら劇団員。全国ツアーとかもしてるんですよ。進路を決めるとき、大学とかも見学行ったりしたんですけど、あんまりで。親から「大学なんていつでも行ける。若さは戻ってこないよ」って言われたんです。「やりたいことやりな」って。それで修行のために養成所に応募したんです。
楽しい舞台をつくっていきたいです!
今回の「もしイタ」。見どころは、ずばりどこでしょう。
冨樫:実はまだ稽古がそんなに進んでないんですけど、顔合わせでメンバーを見て、「みんな元気だな!」って思いました。みんなのやる気を励みにして乗り切るしかないなって思っています!
演劇の魅力はなんだと思いますか。
冨樫:難しい質問ですよね。なんなんでしょう笑。なんで演劇やっているんだろうって考える時もあります。もし別のことをしていたら他の才能が開花したかもしれない!とか後悔する時もあります。でも本番は楽しい。目立ちたい。その執念で今までやってきたんだと思います。楽しい舞台、かな。眠くならない舞台をつくっていきたいです!
ありがとうございました。
冨樫:ありがとうございました。
現役女子高校生。中学生1年生のときに演劇部に入部し、大会では自身で脚本・演出・主演のミュージカルに挑戦。2年生で参加した畑澤聖悟「もしイタ」ワークショップで主役に抜擢。教育文化会館高校演劇ワークショップ「転校生」出演(2016年3月)。来春4月からわらび座の研究生として、2年間プロの役者になるため修行に出る。
公演詳細
タイトル | もしイタ 〜もし高校野球の女子マネージャーが青森のイタコを呼んだら |
会 場 | 札幌市教育文化会館小ホール |
日 時 | 2017年3月21日(火)19:00(開場は開演の30分前) |
概 要 | 震災により全てを失い、青森に転校してきた主人公の成長を描く。「被災した方々のために」と作られた本作は、避難所でも上演できるよう、小道具や照明を使わず、効果音も肉声。メディアにも取り上げられ、多くのファンに愛される作品となっている。そんな大人気舞台「もしイタ」を札幌の高校生が自主企画として上演! |
演 出 | 冨樫美羽 |
脚 本 | 畑澤聖悟 |
出 演 | 赤島健太、伊藤菜緒、大沼史夏、奥山葵衣、加藤美咲、北村湖鈴、酒本鈴菜、城健太、髙橋宏奈、千葉超與、螺良星豪、冨樫美羽、中谷実里、橋本梨里奈、幅寺貴梨花、日高孝子、本田路直、前原青佳、松尾明花音、山川紗夜、山下真依、吉井裕香 |
スタッフ | 長谷川万莉、田中桃子 |
Web | |
チケット | 前売・当日共に 300円 |
schoolactor@gmail.com(「もしイタ」制作部)