大阪府門真市で開催された「門真市国際映画祭」の舞台映像部門にて、札幌を拠点に活動する劇団「yhs」が3冠を達成しました。
受賞作品は、2016-冬の演劇シーズンでも上演された『しんじゃうおへや』。死刑囚と刑務官をめぐる社会派エンターテイメントとして、高い評価を得た作品です。
受賞されたyhsの3名の喜びの声とともに、門真国際映画祭について紹介します。
門真国際映画祭 舞台映像賞とは
大阪府門真市で行われる映画祭として、2018年7月に第一回目が開催されました。長編映画のほか、舞台やダンスの映像作品のコンペティションも存在し、映像作品の面白さをもっと周知することと地域の活性化を目的としています。
yhsが受賞したのは「舞台映像部門」です。演劇などの舞台作品を映像化したものを上演し、評価されます。賞の種類は、最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、最優秀撮影賞などの7種。
yhs「しんじゃうおへや」が3冠受賞
エントリーした全5作品のうち、札幌演劇からはyhs「しんじゃうおへや」が参加しました。札幌演劇シーズンでも上演されたことのある劇団の代表作で、死刑をめぐって描かれる人間の希望と闇を丁寧に描いています。
第1話、執行の予行演習を行う刑務官たちの葛藤と衝突。
第2話、執行装置の修理にやってきた3人の電気工事士のパニック喜劇。
第3話、この部屋がどこで、自分が誰なのかを尋ね続ける男と、それから逃げ続ける女、そしてそれを取り巻く人々。
ラストシーン、3つの物語が重なる時、一つの真実が浮かび上がる。
死刑を巡り、人間の存在を探る、社会派エンターテイメント。
重いテーマながらもyhsらしい笑いを交えた傑作は、門真国際映画祭でも高い評価を受け、見事「最優秀作品賞」を受賞。 さらに、死刑囚役の小林エレキさんは「最優秀主演男優賞」、刑務官の能登英輔さんは「最優秀助演男優賞」を受賞。 他作品を圧倒する3冠を獲得しました。
yhs代表であり、「しんじゃうおへや」作・演出の南参さん、男優賞を獲得した小林エレキさん、能登英輔さんより喜びの声を聞きました。
南参
撮影・編集を担当してくれたPOST・髙橋 佑輔さんは撮影時から「今回は映画のような雰囲気で撮りたい」と話していて、色温度やシャッタースピードにもかなりこだわっていたようでした。生の舞台では逆に味わえない、表情のアップなども舞台映像の魅力かと思います。
これを機に興味を持って、「観劇三昧」などの舞台映像配信サービスやDVD/BDからyhsの作品を見て、さらに生の舞台も見に来てもらえることを期待します。ぜひ、札幌へ!
今回頂いた最優秀主演男優賞!なんて素晴らしい響きなのでしょう、最優秀だなんて!最優秀な過去の自分に打ち勝つべく、これからも精進して参ります。
ひとまずは演劇シーズンの「12人の怒れる男」に全力を尽くします。観に来てください!
小林エレキ
能登英輔
こういった賞をいただけるのは周りのみんなのおかげでもあります。作・演出の南参をはじめ、yhsというチームや客演の皆様のお力、いつも支えてくれる家族。そしていつも応援していただいている皆様。本当に色々な方のお力によって受賞させていただきました。受賞に慢心することなく、これからもよりいい舞台を創るために尽力したいと思います。
この度は誠にありがとうございました!
札幌で生まれた名作が道外で受賞することは、札幌演劇全体の励みにもなります。
2018年のyhsは、8月31日より新作「きつい旅だぜ」の大阪公演、9月29日より同作品の東京公演、さらに10月20日からは、韓国・ソウルにてTGR2017大賞作品「白波」を上演することが決定しています。今後の活躍にも目が離せません。