今年も「さっぽろ学生演劇祭」の季節がやってきました!
「え?何それ?」という方も「やっと来たか!!」という方もいると思いますが、実は今年は開催10周年という節目の年です。11月の公演の前に「さっぽろ学生演劇祭」を探ってみましょう!
「さっぽろ学生演劇祭」とは?
「さっぽろ学生演劇祭」とは、2007年から始まった、札幌や近郊の演劇に興味のある大学生・短大生・専門学生が一同に会し、学校の枠を越えて、毎年11月にサンピアザ劇場で公演を行う企画です。参加大学・参加メンバーは毎年変わるので、その年によって公演のカラーは全く違うものになります。
参加した学生にとっては、今まで関わることのなかった他大学の演劇サークルと交流できたり、他の大学の公演を観に行くきっかけとなったりと、お互いを高め合うことができます。
ここで生まれた縁から開催されたワークショップや演出家の指導を通して、より深く演劇について考える機会を持つこともできます。
作品の質も高く、さっぽろ学生演劇祭第4回後半作品『ハイパーリアル』は札幌劇場祭(Theater Go Round=TGR)で新人賞を受賞しました。
他地域の学生演劇の取り組み
札幌以外の地域の学生による演劇祭で記憶に新しいのは、3年前に始まった「全国学生演劇祭」です。
これは、「日本一おもしろい学生劇団を決める」ということをコンセプトに札幌、東北、東京、名古屋、京都、大阪、四国、福岡、中国地方での賞レースを勝ち抜いて来た学生演劇団体10組が開催会場である京都に集結し、日本一を競うものです。
また、海外では学生演劇祭からプロも参加する国際的な演劇祭になっていったものもあります。
LIFT(ロンドン国際演劇祭)は、「世界中をロンドンに集結させ、ロンドンを世界に紹介する」ことを目的としたイギリス屈指の実験的な演劇祭です。2012年にはロンドン・オリンピックの直前の開催となり、43000人の動員を記録しました。
この演劇祭が始まったきっかけは、1980年にRose FentonとLucy Nealによって発足されたロンドン国際学生演劇祭でした。学生演劇の枠を超えるほどの高い評価を得、翌年の1981年にポーランドやオランダ、日本などの8カ国から参加者を集い、イギリス国際演劇祭として隔年で開催されるようになりました。
さっぽろ学生演劇祭も、LIFTのような盛り上がりをみせることを期待します!
『ブルー!ロマンス・ブルー!』
2007年から始まり、今年で記念すべき10周年を迎える今作品のタイトルは『ブルー!ロマンス・ブルー!』。
脚本は北海道教育大学札幌校「演劇集団空の魚」所属の松重有紗さん。中学校、高校と演劇部に所属し、主に脚本と演出を担当してきました。
今回、出演者が大人数の脚本(総勢22人)を作・演出をすることが初めてという松重さん。中学生の頃までは自分とは別の世界で繰り広げられていた「恋」という話題が、中学生、高校生、大学生、と大人へ近づく中で、だんだんリアリティを帯びてきたそうです。「恋ってなんだろう?」という素朴な疑問からこの物語は生まれました。
「神は人間の汚さを否定しているけれど、神も人間のように恋くらいするんじゃないかと思う。『神のみぞ知る』というけれど、本当は神も知らないものが恋なのかもしれない。色んなものがてんこ盛りかつ、神が出るにふさわしい神聖な舞台にしたい。さっぽろ学生演劇祭10周年という記念すべき年にふさわしいものにしたい。」と作品の魅力を熱く語ってくれました。
愛を求めるものたちの純粋な恋の物語。恋が何かわからない人も、片想いしている人も、思いが叶って両思いになった人も、思い叶わず失恋してしまった人も、一度でも人を愛したことがあるあなたにこそ、劇場に足を運んでほしいです。
公演概要
タイトル | ブルー!ロマンス・ブルー! |
会 場 | サンピアザ劇場 |
日 時 | 11月17日(金)19:00 11月18日(土)14:00/19:00 11月19日(日)14:00 |
概 要 | ”嗚呼、愛とはなんと甘美なる響きであろうか” 人間は古代より恋をしてきた。長い歴史の中で数えきれないほどの人間が。その苦痛を伴いながら。動物としての本能か、神聖な精神か。そもそも愛とは人間と人間だけのものなのだろうか。人間と神が恋に落ちることはあるのだろうか。果たして、神は我々の恋をお赦しになるのだろうか。 “Σε αγαπώ , ΑΦΡΟΔΙΤΗ” |
脚本・演出 | 松重有紗 |
出 演 | コイデカナ、森永康寛、佐藤優将、井藤淳矢、畠中紗彩、綾乃、齋藤拓也、が んめん、浅沼摩穂、丹野尚也、梅宮直樹、飯塚瑠菜、石井南帆、森大輝、小島彩香、村上真緒、榎本成美、安達令、南亮哉、菊池拓斗、竹本恵理 |
チケット | 前売:500円 当日:700円 ・予約フォーム |