4月27日から5月1日にかけて、札幌の若手が多く集まる演劇フェス「遊戯祭17」が開催されました。
「谷川俊太郎」をテーマに3作品が上演され、どの作品も高い評価を得ました。結果は「平木トメ子の秘密のかいかん」が最優秀賞に選ばれ、大盛況のうちに幕を閉じました。
そんな熱い戦いの裏で、PATOSでは「札幌劇団コンパス」という企画が行われていたのをご存知でしょうか。
札幌劇団コンパスとは
札幌には数多くの劇団があり、「どの劇団の公演を見に行けばいいかわからない…」と思った方も多いのではないでしょうか。この企画はそんな悩みを解決すべく、「札幌の劇団の案内図を作ろう!」というテーマのもと生まれました。
どの劇団がどんな特徴を持っているのかがひと目でわかるような案内図があれば、知り合いに劇団を紹介するときや、自分がまだ見たことのない劇団の公演に行くときの参考になると考えたのです。
1.劇団をリストアップ
企画は3回に分けて行われました。1日目は、会場に集まったお客さんと共に、対象となる劇団をひたすらリストアップしていきます。
対象となる劇団の条件は「過去3年間で札幌市内で公演した、市内とその近郊を拠点とする劇団」です。
d-SAPの劇団まとめも活用しつつ、昔のフライヤーやチケットから劇団を探し出し、付箋に書いて模造紙に貼っていきます。
途中、札幌で活躍する演劇人である柴田知佳さんや寺地ユイさんなども覗きに来てくださり、「うわこれ懐かしい!」「知らない劇団たくさんあるなあ」など、フライヤーを見ながら和気あいあいとした様子で企画は進みました。
リストアップされた劇団の数は、なんと125!
学生サークルや創作団体も含めて、札幌には120以上もの劇団が存在することが判明しました。
2.見に行く基準
2日目は、お客さんが実際に公演を見に行く基準などを話し合い、案内図の大まかな方向性を決める作業が行われました。
チケットの値段が安いから見に行くのか、それとも好きな役者が出演するからなのか、はたまたこの劇団の公演は絶対見に行く!というファン精神なのか…
こうして主な基準を整理し、全ての劇団をひとつの案内図にまとめるのではなく複数のカテゴリーに分けてみるという方向に決まりました。
また、この日は1日目にリストアップされた劇団を五十音順に整理する作業も行われ、完成したものがこちらです。
この模造紙は、劇団を思いついた人がいつでも書き足せるようにPATOSのロビーに掲示されました。
3.案内図の完成
最終日である3日目は、実際に劇団を振り分けていく作業です。
「エンターテイメント⇔芸術的」「笑い⇔考えさせられる」といった指針の他に、「期待の若手」「クセになる」などのカテゴリーが設けられました。
劇団・木製ボイジャー14号の代表である前田透さんが、「うちはエンターテイメントでしょ」と言って自らの劇団を案内図に貼るというシーンもありました。
3日目に集まった10人ほどのメンバーで、「この劇団は期待の若手だよ!」「それはどっちかというと笑い寄りじゃない?」などと声を上げ、この日も和やかな雰囲気で企画は進みました。
そして完成した案内図がこちらです。
ここに貼られた自分の知らない劇団の特徴を掴んでみたり、自分の好きな劇団がどこに位置しているのかを探すのも一つの醍醐味です。ぜひご活用ください。
案内図の他に、「好きな役者」「劇場別チケット相場」のコーナーも設けられました。
※チケット相場はあくまで個人の意見です。
劇団という括りだけではなく、自分好みの役者を見つけて演劇を見に行くのもアリかもしれませんね。
まとめ
今回リストアップされた全ての劇団を案内図に貼ることはできませんでしたが、それだけ多くの劇団が札幌に存在するということを理解していただけたかと思います。
もちろん、今回作成された案内図はこの企画に集まった十数人の意見であり、劇団のカテゴリー分けに対して違う感想を持たれる方も多くいらっしゃるとは思いますが、そのあたりも含めて活用していただければ幸いです。
ぜひ知り合いの方を誘って、自分が見たことのない劇団の公演にも足を運んでみてください!