【インタビュー】劇団でゅなみす

今回は、藤女子大学の演劇サークルである劇団でゅなみす(@dhunamisu_16)の方々に取材させていただきました。

代表の能村遥(のうむらはるか)さん、衣装・メイク担当の大橋未来(おおはしみき)さん、脚本担当の成田真帆(なりたまほ)さんの3人です。

3名とも今年度から大学3年生の、劇団でゅなみす第1期生です。

劇団でゅなみすとは

藤女子大学公認の学生演劇サークル。今年で創部3年目を迎え、現在は部員12名で活動中。学生演劇界でも珍しい、女性のみの演劇サークルです。

昨年はサンピアザ劇場で行われた札幌学生対校演劇祭に参加し、「i dol ドール」という女性部員の強みを活かした演目を上演。可愛らしい衣装や不気味で独特な世界観が好評を得ました。

今年の4月27日から5月2日にかけて行われる「遊戯祭17 谷川俊太郎と僕」のPATOS企画にて「星見台夜里子のスカートの中」を上演予定。

そんな彼女たちの普段の活動や、女子校ならではの悩み、次回公演への意気込みなどを聞かせていただきました。

女子しかいないということ

女子校であることのメリット、もしくはデメリットはありますか。

成田真帆さん(以下、成田):「女子だけだから良い」ってことは、実はそんなにないです。男性の方がいて、裏方なり役者なりやってくれるんだったら、絶対そっちの方がいいんですよ。でも、状況的に私たちは藤女子大学のサークルなので男性を稽古場に呼ぶことはかなり難しいんです。だから必然的に女子だけになっただけなんですけど(笑)でもがんばってはいます(笑)

能村遥さん(以下、能村):実は対校祭のときに悔しかった話があって…

大橋未来さん(以下、大橋):そう、悔しかった。

成田:私が脚本を書くことが多い部活なんですが、脚本を書くときに男性の役者がいないっていうのはどうしても弊害になるんですね。でもやるしかないので、頑張って女の子だけの脚本を書いて対校祭に出場したんです。そこで劇団でゅなみすに対する感想が書かれたアンケートをもらうんですよ。女子しかいないことに対して、「女の子ばかりで華があるね」とか、ポジティブな意見もいただいたんですけど、「仕方ないけど、男の人がいないのはやっぱり映えないね。男性が必要なのでは?」みたいな意見もあって…。「そんなの言われてもどうしようもないじゃん!」って思いましたね(笑)

能村:良いことよりも大変なことが多いですね(笑)なにせ私達には、今まで上の代がこうしてきたから私達もこうする、みたいな先例がないので私達が道を作っていかなきゃいけないんです。だから未だに手探りで活動しています。

衣装のことで、やりがいがあったものや「これは無理だな」と感じたものはありますか。

大橋:正直いつも無理です(笑)初めて衣装を担当したのが去年の対校祭なんですけど、このときは成田さんのアイドルの衣装を考えて、型紙作って、布を買うところから始めました。

この画像の白いワンピースも一から作りました。この衣装は去年の札幌学生演劇祭でも使ってもらえたんです!あと私は中学から女子校なので男の人の衣装を作るのがとっても苦手なんですけど、去年の合同祭のときに作る機会があって死ぬかと思いました(笑)

能村:彼女はメイクも担当してくれているんです。

大橋:そうなんです。大体のことは大変なんですけど、みんな可愛くなるので満足です。

遊戯祭PATOS企画について

次回公演の見どころを聞かせてください。

成田:物語の中で大盛り上がりするような場面がないので、特にここを見てほしいって部分は実はないです。でも、観終わったあとにお客さんの心に何かが残ってほしいですね。とにかく劇を観ながら、「自分はどうだ」っていうことを熟考して、悩んで、知恵熱出してほしいです(笑)

大橋:あとは女子校に憧れを持ってくれている方が多いので、いい意味で期待させつつ、いい意味で裏切って目を離せなくさせたいです。

成田:女子校ってお花畑みたいでいい匂いがしてみんながロングスカート履いて…みたいなイメージを持たれてることが多いので(笑)実際はほとんどが共学の高校出身なのでそんなことはないんです。だからこの劇を見て「現実はこうだぞ」っていうのを感じてもらいたいですね。

大橋とにかく好奇心でも何でもいいので観に来てほしいです。「女子校の演劇を見てみたい」っていう軽い気持ちでいいです、全然。なるべくたくさんの方に観てほしいですね。

これからのでゅなみす

これからの活動に向けて、具体的な目標や展望はありますか。

能村:私たちは学生演劇界の中でまだまだ新参なので、でゅなみすを知らない方がたくさんいると思うんです。実際今の状況だと「あ、藤女子大学に演劇サークルあったんだ」って感じなので、そうじゃなくて「藤女子大学といえばでゅなみす!」ってところまで持っていきたいですね。

成田:でゅなみすは大学卒業後も演劇を続けるって人は少ないので、大学生活において後輩たちが後悔しないような場を整えてあげたいですね。

能村:私達の代で劇団の基盤みたいなものは出来てきたので、この先後輩たちの中から客演で呼んでもらえるような役者が出てきたら良いなあと思います。役者じゃなくてもそういう人材が育てば勝利だと思います。(笑)

成田:でゅなみすは出来て間もないので、伝統も何もないんですよ。だからむしろ後輩たちには自由に活動してほしいなって思います。

大橋:やらせなきゃいけないようなこともないしね。何でもやってほしいです。

ありがとうございました。

三人:ありがとうございました。

 

公演詳細

タイトル  星見台夜里子のスカートの中
劇 団  劇団でゅなみす
会 場  ことにパトス
日 時  4月30日 15:00~16:00
概 要 私達は生まれたときから女の子で、生まれたときから母親になる可能性を秘めています。それってぜったい、やらなきゃだめ?友達の星見台夜里子ちゃんの将来の夢は「お母さん」。それが女性の幸せなんだって。なんか変だと思う。そんなの苦しい。それでも、私は。
藤女子大学による、「オンナノコ」の話です。
演 出  宗像優花
脚 本  成田真帆
出 演  石田萌子、宗像優花、能村遥、大橋未来
Web 公式ブログYoutubeチャンネル
お問い合わせ

メール:dhunamisu16@gmail.com、Twitter:@dhunamisu_16