無料招待された中高生が来ない件について

明日で幕を閉じる札幌演劇シーズン2017-冬。初のレパートリー作品として上演された「狼王ロボ」にはじまり、海外戯曲やアングラなど多様なジャンルで楽しませてくれました。

完売の回も過去最多となり(全50ステージ中29ステージ)、参加劇場も増え、ますます札幌市民にとって身近となったこのシーズン。

今回も大成功をおさめたと思いますが、とある大問題が発生しているので、お伝えします。

無料招待枠の中高生が来ない!

多くの中高生が利用したであろう中高生無料招待。各ステージで限りはありますが、中学生・高校生で事前に予約をすれば演劇シーズン参加作品が無料で観られるという素晴らしいチケットです。

このサービスは2013-夏から「高校生無料招待」としてスタートし、以前は電話・メールでの予約でしたが今シーズンからフォームができ、ますます利用しやすくなりました。

僕も毎年無料で観させていただきましたが、今シーズンはすでに枠が埋まっていて招待券を取れなかった作品もありました。チケット代を払わなくてはならなくなった悲しさよりも、「中高生が演劇をたくさん観るようになった証拠だ」という嬉しい気持ちになりました。

 

しかし、あるときこんな話を耳にしました。

 

「無料招待の中高生が来ないんです」

 

これは大問題です。大大大問題です。

僕のように無料招待券が取れなかった人もいるのに、取れたのに観に行かない人がいるとは。その枠で僕が観ることだってできたのに…!

特に今回のシーズンは同じ悩みを抱えた劇団が多かったらしく、シーズン全体で問題視されました。完売の回が多い中、予約したのに行かないということだけでも良くないことなのに、無料招待までいただいておきながら行かないとは。

忘れてしまっていたのでしょうか、それとも別の日だと勘違いしてしまったのでしょうか。どちらにせよ、良くないことです。中高生のみなさん、予約したならば、絶対に行きましょう。このままだと、無料招待券自体、なくなってしまいます。

 

急用が入ってしまい観に行けなくなることもあると思います。そのときは、劇場か劇団にひとこと電話しておくのがベターです。「ごめんなさい、キャンセルでお願いします。」優しく対応してくださるはずです。

無料で観るということ

演劇を無料で観るということ、みなさんはどのように考えているでしょうか。

そりゃ、無料の方がいいに決まっている。できることならば全部無料で観たいくらいだ。

本当に、無料で観ることはいいことなのでしょうか。

 

クオリティが高く、面白い作品ばかりの演劇シーズンですが、チケットの値段は一般3000円と比較的高め。高いレベルの作品の価値を保つという意味でこの値段設定にしているそうです。価値あるものには、それだけの金額をつけるべきなのです。

本来これだけの価値のある作品を、無料で観ることによって、どこかで「無料だし、観ても観なくても変わんないや」と思ってしまう自分はいないでしょうか。チケット代が無料ということで、作品の価値も無料にしてはいけません(もちろん、その作品をどのように評価するかは観る人次第ですが)。

まとめ

とはいっても、お金のない学生にとっては、無料招待は本当にありがたいです。今後も利用する人がどんどん増えていくでしょう。

しかし、観にいくと決めたからには、失礼にならないように観にいくべきだと思います。未来の演劇シーズンのためにも、約束はしっかりと守りましょう。