2023年7月27日、「札幌演劇シーズン2024」エントリー作品公募についての情報が発表されました。
エントリー要綱には、これまで夏と冬に年2回行われていた札幌演劇シーズンを、2024年度から夏のみに一本化することが記載されています。
この記事では、これまでとの変更点を中心に、札幌演劇シーズン2024のエントリー要綱について解説します。
2024年度から夏のみに一本化
最も大きな変更点は、これまで夏と冬に年に2回(3〜5週間ずつ)行われていた札幌演劇シーズンが、2024年度から夏のみに一本化されることです。冬の演劇シーズンは、「2024-冬」(OrgofA『Same Time,Next Year-来年の今日もまた-』、THE36号線『大きな子どもと小さな大人』、弦巻楽団『ピース・ピース』の3本)で一旦最後となります。
変更の経緯や具体的な理由については明らかにされていませんが、公式サイトには「フェスティバルとしてさらに一段階成長するため」との記載があり、10周年を迎えたこのタイミングでこれまでとは違う展開を期待していることが読み取れます。
さらに、夏のみの一本化にともなう、開催期間の拡大についても記載されています。
これまでの演劇シーズンでは、1演目につき8日間の上演をベースとしており、上演作品数によってその期間が変動していました。例えば現在開催中の「2023-夏」は、4演目・4週間(29日間)の開催となっています。
今回発表されたエントリー要綱では、あくまで暫定としつつも「2024年7月13日~8月31日を開催期間として予定」との記載があり、例年どおりであれば7演目・7週間(50日間)の上演が想定されていることがうかがえます。
なお、実際に上演される日程・順番は、エントリー後に調整の上決定されます。エントリーした団体は、上演日程の決定までは上記の開催期間中いつでも上演できるよう調整しておく必要があるとのことです。
- 会場使用料(仕込2日、公演8日分)、および総合宣伝(公式ガイド、新聞広告、 トレーラー、ウェブサイト等)の経費を実行委員会が負担します。
- 入場料収入は札幌演劇シーズン実行委員会の収入となります。
- 上演にかかる経費(物件費、演劇創造費)は、演劇シーズン全体の収支に応じて相談の上、 実行委員会から上演団体へお支払いします。
- 札幌演劇シーズン参加料として、入場料収入の5%相当額をご負担いただきます。
- チケット料金はプログラムディレクターおよび事務局と協議の上決定していただきます。
- 札幌演劇シーズンの広報やプロモーション活動にご協力いただきます。
・開幕前のキックオフステージでパフォーマンスを行っていただきます。
・実行委員会で制作している公式ガイド・トレーラー映像の作成にご協力いただきます。
・公演期間中、会場内で来場者にむけたトレーラー放映を実施していただきます。
・来場者アンケートの実施にご協力いただきます。 - 上記条件に関して、やむを得ない事情がある場合はご相談ください。
上演会場の追加(北八劇場)
エントリー要綱には上演会場についての記載は特にありませんが、添付されているエントリーシートの「希望する劇場」の欄には、これまでにはなかった「北八劇場」の名前があります。
北八劇場は、北区北8条西1丁目に位置する新しい劇場であり、2024年春にオープンが予定されています。芸術監督はイレブンナイン代表の納谷真大氏が務めます。まだ発表されていない柿落としプログラムについても期待が高まる中、このたび札幌演劇シーズン2024の会場としての利用も視野に入れていることがエントリーシートからわかりました。
北八劇場の通常利用料金等はまだ公式サイト等で明らかにされていませんが、参加団体側に会場費の負担がない演劇シーズンにおいて、新しい劇場を利用できるチャンスともいえるかもしれません。
ただし、エントリーシートには第2希望まで記入するよう指示があり、希望の会場で必ず上演できるわけではないので注意が必要です。
エントリー方法
エントリーに必要な書類は以下の通りです。
- エントリーシート(公式サイトよりダウンロード)
- 上演台本
- 舞台写真
- 上演映像(編集していない記録用映像で構いません)
- 過去上演時の劇評など、選考時に参考となる資料(あれば)
エントリーシートに必要事項を記入し、郵送・メールでの提出となります。エントリーシートは指定の様式があり、札幌演劇シーズン公式サイトよりダウンロードすることができます。
応募締切は、2023年8月20日(日)必着です。
新しくなる札幌演劇シーズンに注目
2024年度から大きな変化を見せる札幌演劇シーズン。規模を拡大し夏に一本化する形式が、参加団体や演劇ファンにどのように受け止められるのでしょうか。
札幌演劇シーズンは現在「2023-夏」が開催中。市内劇場で毎日演劇が上演されていますので、ぜひお楽しみください。
当記事に掲載している情報は、2023年7月28日現在のものです。情報に変更がある可能性がございますので、エントリーの際は、必ず公式サイトをご確認ください。