【インタビュー】最上怜香さん

舞台役者と切り絵アーティストという二つの顔を持つ、yhsの最上怜香(@mon6mon6)さんにメールインタビューさせていただきました。

舞台で大胆で可憐な立ち振る舞いを魅せたかと思えば、ハサミを持つとその繊細さでただの紙を美しいアートへと変えてしまう彼女の魅力に、多くの方が虜にされていることでしょう。

今回は個展を開くということで、その紹介もさせていただきたいと思います。

紙とハサミだけで

最上さんが演劇をはじめたきっかけはなんですか。

最上怜香さん(以下、最上):きっかけは仕事のストレスからです(笑)。当時の仕事がメンタル的にきつくて、とにかく仕事を忘れる時間が欲しかった。社会人になるときにやめちゃったけど学生時代はずっとダンスを習っていました。発表会の舞台上から見た景色が好きで、また舞台に立ちたいと思ったんです。慣れ親しんだダンスじゃなくてお芝居を選んだのは、何か新しいことを始めれば自分も変われる気がしていたからです。舞台を観る側と立つ側の境界線がより曖昧で、会場全体で一体となれる独特の雰囲気への憧れもありました。

演劇をはじめてから今に至るまで、自分の成長を感じたときはどういうときですか。具体的なエピソードがあれば教えてください。

最上:難しい質問ですねぇ。成長してるのかどうかって、自分ではホントに分からないものです。ただ、yhsに所属して数年が経った頃、ある人から「役者らしくなってきたね」って言われたときは本当に嬉しかったし、ようやくスタートラインに立てた気がしました。続けてきて良かったなって思いましたね。でも、全然まだまだです。頼もしい先輩方の良いところをたくさん盗んで精進します!

舞台だけでなく、切り絵アーティストとしても活躍されていますが、最初に切り絵を始めようと思ったきっかけは何ですか。

最上:これは、有名な切り絵作家さんの特集をTVでたまたま見かけたのがきっかけです。紙とハサミだけでこんなに繊細な仕事ができるんだと感動しました。同時に「やってみたい」とも。昔からチマチマとした手作業が好きで、浅はかにも「自分にも出来る」とか考えちゃったんですよね(笑)。幸い道具も材料も家庭にある身近なものなので、すぐにハサミとコピー用紙を持ち出して作り始めたのを覚えています。

切り絵の魅力はなんだと思いますか。

最上:一番の魅力は、出来上がったときの達成感です。思わず「できたーーーー!!」ってガッツポーズをとりたくなるような感じ。切っている間、目の前のことに集中する時間も魅力的なんです。無心になれるあの感覚は、たぶん瞑想と似ています。

言葉で嘘をつく

演劇と切り絵をどちらもやっていく中で、双方の魅力の違いや共通点があれば教えてください。

最上演劇の魅力は言葉で嘘をつけることだと思います。例えば「嫌い」っていうセリフを「本当は好きだけど素直になれない態度」で言うことが出来る。額面通りじゃないところに、人間臭さとか面白さがあるなぁと感じます。切り絵ではこういう奥行きは出しにくい。どんなに素敵な作品になったとしても、紙はやっぱり紙なんです。演劇も切り絵も、お客様に見てもらって完成するという点では同じだと思います。見た人それぞれに違った感想があって、それをフィードバックしてもらうことで新たな気付きがあるのも作り手としては有り難いことですね。

個展「紙の声」の魅力を教えてください。

最上:「紙の声」は舞台演出を意識しています。切り絵作品をただ展示するのではなく、足を運んでくれた人がその空間に参加できるような場所を目指しています。音や照明など、写真だけでは伝わらない、劇場に入った瞬間の様な空気感を少しでも出せたら良いなと思っています。

ギャラリーにはよく行くけど演劇は見たことがない人や、お芝居は好きだけどアートはあんまり……という人にこそ、一度足を運んで見てもらえたら嬉しいですね。


両方やっていると相互に繋がる発見があったりして楽しいですよ。私は、演劇も切り絵も「想像の余地があるもの=ふくよかで良い作品」だと思います。もちろん、万人に好かれるような作品は無いということも承知していますが、一人でも多くの方の琴線に触れる作品をつくり続けられたら幸いです。

 

最上怜香
1984年10月22日生まれ。
手先を使う細かい仕事が好きな職人気質。171cmの大きいなりして小心者。生粋の道産子。
2011年から切り絵をはじめ、札幌を拠点に東京・大阪などで作品を展示。
2012年より札幌の劇団「yhs」に所属し、プレイヤー(役者)としても活動中。

イベント詳細

イベント名 最上怜香 個展「紙の声」
日 時 2017年 5月11日(木)~16日(火)
13:00~20:00(最終日は17:00迄)
会 場 ターミナルプラザことにパトス
料 金 入場無料

 

今後の活動

  • 6月14日(水)~18日(日)切り絵展示「3rd DIDCOVER THE ONE JAPANESE ART」 @Ashok Jain Gallery(アメリカ・ニューヨーク)
  • 7月22日(土)~29日(土)yhs「忘れたいのに思い出せない」(札幌演劇シーズン2017-夏)出演 @コンカリーニョ

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